北欧からのものがたり

「フィーカ」とは?

最近では、「フィーカ」という言葉や習慣そのものが、大きく注目されるようになってきました。ここでは、フィーカについて知っておくべきポイントや、正しいフィーカを紹介します。これを知っておけば、ご自身でも友達と一緒にフィーカを楽しめます。

「フィーカ」の意味とは?

スウェーデン語で「フィーカ(fika)」とは、「甘いものを食べながら温かい飲み物を飲むこと」を意味します。飲み物はコーヒーや紅茶が一般的で、小さなクッキーやシナモンロール、焼き菓子などを一緒に食べます。フィーカの飲み物や食べ物に特別な決まりはありません。大切なのは、食事よりは軽く、果物よりは食べ応えのある軽食を、好きな飲み物と一緒に楽しむことです。

気軽なフィーカですが、1つだけあるルールは、コーヒーだけならフィーカとは呼べないということ。誰かとコーヒーを飲みたいだけのときは、「コーヒーを飲もう」と言いましょう。ここで「フィーカ」と言ってしまうと、大きな誤解を招きかねません。場合によっては相手の機嫌を損ねてしまうことも…?

Table with two cups of coffee and pink Moz handbag

フィーカのタイミング

伝統的には、フィーカは1日に2回行われます。これは年配の世代に見られる「ルール」で、おじいさんやおばあさんの世代は、午前11時と午後3時にフィーカを行うことが多く、昼食の前に軽く何かを食べ、昼食の後にもそれより少し多めの軽食をとります。1日に2回は少し多いと感じるなら、若い世代に倣って、居心地の良いカフェで友達とフィーカしましょう。このとき、お腹を空かせて行くのがフィーカを楽しむコツです。フィーカの定番は大きなマグカップに注がれたたっぷりのカフェラテと大きなシナモンロールですが、お好きなコーヒーと焼き菓子でも大丈夫です。ゆっくりと座ってくつろぎながら、温かい飲み物と甘い食べ物を一緒に楽しむ――まさに最高の時間の過ごし方です。

Woman in gloves having a coffee in a Moz mug.

自己流のフィーカでおもてなし

もちろん、自宅に友達や家族を招いてフィーカを楽しむこともあります。自家製のおやつと、大きなマグカップになみなみと注がれたおいしい紅茶やコーヒーほど「贅沢」なものはありません。
フィーカに誰かを招くなら、焼き菓子に力を入れて、ゲストに喜ばれる紅茶やコーヒーを用意しましょう。カフェにあるようなエスプレッソマシンでカフェラテを入れなくても、おいしく淹れたコーヒーのポットとミルクを一緒に出せば、スウェーデン人なら誰でも喜んでくれるでしょう。

焼き菓子についても、たくさん用意して豪華なフィーカにしなくても大丈夫。手作りのシナモンロールなら言うことなしですが、ブラウニーやカップケーキでも十分です。いろんなお菓子を用意しなければと頑張りすぎないこと。フィーカを楽しむには、ゆっくりと座って会話を楽しむことが大切なのです。

Cinnamon buns and a Moz coffee pot.
People having coffee, outside, winter People having coffee, outside, winter

フィーカを楽しむには

ここでは、友達を招いてフィーカを行うときにおすすめの方法を紹介します。

  1. 時間は、昼食の後の時間帯、午後2時~3時頃にしましょう。そうすると、焦らずに余裕を持って準備することができます。
  2. 焼き菓子は午前中に準備しましょう。シナモンロールやカップケーキなどでも大丈夫です。午後のフィーカに向けて焼き立てを用意しておきます。
  3. ゲストに出す紅茶の種類は1~2種類を用意しておけば十分です。紅茶にたっぷりのミルクを入れて飲むのが好きな人もいるので、香り高く、ミルクによく合うものが良いでしょう。
  4. 淹れたての上質なコーヒーをポットで出すなら、コーヒー豆を購入し、淹れる直前に豆を挽きましょう。
  5. 人数分よりも多めにコーヒーを用意しましょう。スウェーデン語で「påtår(ポートー)」、すなわち2杯目をおかわりする人も多くいます。

「フィーカ」は、食べたり飲んだりするだけの習慣ではありません。大事なのは、大切な人たちと一緒に時間を過ごすことです。ですから「フィーカ」の日は午後の予定を空けておき、時間を気にすることなく友達や家族とのんびり過ごせるようにしましょう。

New baked cinnamon buns on stove, Moz mittens.