北欧からのものがたり
夏至の花でうらなう結婚相手
夏至の前日の夜に関する1つの古い言い伝え。それは、夜のうちに7種類の花を摘み、枕の下に置いておくと、未来の結婚相手の夢を見ることができるというもの。あなたも試してみませんか?
夏至には不思議な力が宿る
その昔、夏至の夜には魔法が満ちていると信じられていました。太陽が沈まず、1年で最も夜が明るいことから、魔法の類だと考えられていたのです。人間界と超自然界の境界があいまいになり、辺りは魔力を宿した生き物や音、不思議な出来事で満ち溢れる――そんな「魔法の力」を信じ、将来の結婚相手に夢で会いたいと願いながら、多くの少女たちが草原に出かけて花を摘んでいたのです。
本当にうまくいく?
時は流れ、夏至の夜に魔力が満ちていると考えることはだんだんと難しくなっています。数百年前であれば、不思議な生き物や魔法の存在を信じることは日常の一部であり、説明のつかない物事を説明するための1つの方法でした。現在は、科学の力で自然を理解しようとしていますが、当時は、魔法や宗教がその役割を担っていたのです。
そこで誰もが知りたいのは、「本当にうまくいくの?」ということ。これは難しい質問ですが、中には、偶然にも近所の男の子の夢を見て、言い伝えが当たったという子もいたかもしれません。答えを見つける最も良い方法は、自分で試してみることです。言い伝えは今でも続いていますし、夏至には花もたくさん咲いていますから。たとえ魔法のためでなくても、明るいスウェーデンの夜を満喫するには、とても素敵な過ごし方と言えるでしょう。
決まりごとを守ること
残念ながらこれは、ただ7種類の花を摘んで枕の下に置いておけばいいという簡単な話ではありません。本当に魔力を引き出したいのなら、いくつかの決まりごとを守る必要があります。その1つは、すべてをできるだけ反対に行うこと。物事を間違った順番で、あるいは前後や上下を逆さまに行うことは、普通のキリスト教徒の生き方とは真逆の行いであることから、魔法の世界への「近道」だと信じられていました。もう1つの決まりごとは、おしゃべりをして魔法を解いてしまわないこと。成功への鍵は沈黙です!
絶対に成功させたい場合は…
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- 花の数は必ず奇数にします(3、7、9など)。
- すべて違う種類の花を摘みます!同じ種類の花を7本摘むのは簡単すぎますよね?
- 開始時点から花を枕の下に置くところまで、会話は一切しないこと。繰り返しますが、成功への鍵は沈黙です。
- 「gärdesgård」――草原の間に作られた昔の柵――を、花を1本摘む度に飛び越えます。花は7本なので、つまり柵も7回飛び越えることになります。
- 本当に魔力を引き出したいのなら、すべてを反対に行いましょう。後ろ向きに歩き、後ろ向きにジャンプし、計画した道順を反対から歩きます。
だって、未来の結婚相手のためなら、できないことなどないでしょう?