北欧からのものがたり
スポーツ休暇
スポーツ休暇とはスウェーデンの慣習で、2月の一週間、ほとんどの学校が休みになります。
社会人も休みを取る人が多く、人々は外で過ごして新鮮な空気を楽しみ、気分が沈みがちな月を乗り切るために気分転換をするのです。
「sportlov(スポーツロブ)」とは?
スポーツロブ=スポーツ休暇は学校で定められている休みのひとつです。
日本の春休みにあたる短い休暇で、スウェーデンでは2月に一週間ほど学校が休みになります。子どもたちは外で遊んだり、友達や家族との時間を楽しんだりします。
近年はスキーに出かけたり、外でソリ遊びをしたり、自然保護区の大自然の中でピクニックやハイキングを楽しんだりする家族が増えています。
スポーツ休暇は、冬のアクティビティやウィンタースポーツを楽しむにはうってつけの休暇で、なんとなく気分が沈みがちな2月に皆が待ち望む一週間なのです。
スポーツ休暇の起源
スポーツ休暇は1940年代頃から存在していますが、当初は、子どもたちを雪で遊ばせるという現在の目的とはまったく異なり、むしろ正反対のものでした。
第二次世界大戦が始まった頃、燃料や暖房機器の価格が大きく高騰し、学校は、お金と燃料の両方を節約するため、一週間の閉校に踏み切らざるを得なくなりました。
第二次世界大戦中は特に寒く厳しい冬であったため、学校を閉めることが、暖房の燃料不足と価格高騰への対応策になったのです。
スポーツ休暇の過ごし方
スポーツ休暇にはさまざまな楽しみ方があり、遠出をせずとも楽しむ方法もたくさんあります。
たとえば、自宅で家族とすてきな休暇を楽しみ、大げさな準備をせずに屋外で過ごすという方法もあります。
- 「pulkabacke(プルカバッケ)」に遊びに行く。
「pulkabacke」とは、ソリ遊びができる小さな丘のことです。
2月は丘が雪で覆われるため、家族みんなでソリ遊びを楽しめます。 - 冬のピクニックに行く。
魔法瓶にホットココアを注ぎ、必要なものをバッグに詰めたら、森や自然保護区に出かけて1日を過ごしましょう。新鮮な空気を楽しむためには、シナモンロールにホットドッグ、ブランケットに手袋まであると完璧です。 - 雪だるまを作る。
想像力を自由にふくらませてみましょう。雪の量が十分なら、雪の村や城を作ってみては? 等身大の馬や、ドーム型の雪の家を作るのも楽しそうです。雪が降っている日をうまく活用しましょう。 - 機会があればスキーに行く。
スキーは、スポーツ休暇の定番の過ごし方のひとつ。ゲレンデで雪の1日を楽しんだ後の爽快感に勝るものはありません。