mozのはじまりのものがたり

生みの親、アンダース・ビリン

アンダース・ビリンはスウェーデン人デザイナーであり、moz Swedenの創設者でもあります。常にクリエイティブな心をもち、自然を愛する人物で、現在は、サマーハウスで静かな暮らしを楽しんでいます。ここではアンダース・ビリンの生涯とmozのはじまりのものがたりをご紹介いたします。

幼少期からキャリア初期まで

アンダースは創造性に満ちた子ども時代を過ごしました。両親はどちらも教師で、さまざまなことを教えてもらいながら成長していきました。夏の間は、自然を自由に探索し、父親に大工仕事用のテーブルをもらった日のことは特によく覚えているそうです。

「うちのサマーハウスの近くには友達がいなかった。だから子どもの頃はそこへ行く度に木材から何かを作ったり、森でひとりの時間を楽しんだりしていたよ」とアンダースは当時を語ります。

常にクリエイティブな心を持ち、モノづくりを愛していたアンダースですが、学生としては経済学を学ぶことを選び、兵役にも2年間従事しました。その後、1973年から1995年まではマーケティングの仕事をしていました。

Anders walking out of his cottage

Färg & Form – mozの誕生

1996年、起業の準備ができたアンダースは、Färg & Formを立ち上げ、インテリア商品のデザインを始めました。最初に成功を収めたのは、ストライプのデザインが施されたスタイリッシュなろうそく立てでした。その後も多くの商品を生み出していきました。

1998年には、自然から受けたインスピレーションと顧客の意見を参考に、アンダースはmozのロゴを描き始めました。最初、エルクの目は1つだけでしたが、何度も何度も描き直した末に、「生きている」と感じられるエルクにたどり着きました。「いくつもスケッチを描き、目が2つのデザインでようやくロゴに命が感じられたんだ」――アンダースはそう振り返ります。

完成後、mozのロゴが最初の商品を飾るまでに、ちょうど1年かかりました。それからすぐに、フランクフルトで行われた見本市で日本のマーケットの目に留まり、現在ではスウェーデンと日本をはじめ、韓国、台湾、香港でもmozの商品が展開されています。

Early sketches of the Moz elk
Interior from Anders cottage

「長年にわたり私を助け、支えてくれている、日本のパートナー起業に感謝しているし、とてもよい関係だと思っています。朝起きると、毎日のようにメールや写真が届いていて、新しいmozの商品が発売されたと知ることができるんだ。まるで夢みたいだ」。
アンダースは笑いながらそう言います。
「どんな形であれmozに携わっているすべての人にとても感謝しているよ」

北欧スウェーデンのライフスタイルブランドMoz(モズ)の創設者アンダース・ビリンとぬいぐるみ

アンダースの現在の暮らし

エルクの最初のスケッチが描かれてから長い年月が流れ、アンダースは今、スウェーデンのオレブロ郊外に建つ小さな赤いサマーハウスでの第二の人生を楽しんでいます。その暮らしは、仕事に追われる慌ただしい日々から、穏やかで静かなものへと変わりました。

この家はスウェーデンの森に建てられたシンプルなコテージで、近代的な生活インフラはほとんどありません。水道設備もセントラルヒーティングもありません。その代わりに、きれいな水が飲める簡素な井戸と、心地よい夜を過ごせる大きな暖炉があります。そこでアンダースは、リラックスして森の風を感じたり、静かにフィーカを楽しんだり、この土地で守られてきた樹齢400年の老木を眺め、その生命力に思いを馳せたりしています。

「自然を世話することは私の務めです。最近では、自然の素晴らしさを理解し、この自然をできるだけ守っていく必要があると感じ始めている人がどんどん増えていると思います」とアンダースは語ります。

Anders is getting water from a well