北欧からのものがたり

春の訪れをお祝いするスウェーデンのイースター

世界中でお祝いされているイースターの習慣は北欧スウェーデンにもあります。卵やひよこをモチーフにした飾りを用意したり、黄色い水仙の花を生けたり、卵型のチョコレートを食べたり、とこの時期は大忙し。ひょっとしたら小さな魔女に出会えるかもしれません。

小さな魔女の仮装

スウェーデン独特のイベントにイースター休暇の前の木曜日、子供たちが仮装をして近所の家を訪れイースターエッグなどのお菓子をもらうというハロウィーンそっくりなものがあります。

もともとはスカーフを巻いてほうきを持った魔女に仮装する習慣でしたが、この日は魔女以外にも猫、好きなキャラクターなど思い思いの恰好をした子供たちが、カラフルな羽飾りをつけた枝を持って歩き回っているのが見られます。

なんといってもイースターエッグ

イースターが近づいてくるとスウェーデンのスーパーには特別コーナーが設けられ、イースター用の様々なお菓子が売られます。

卵型をしたドラジェやソフトキャンディー、黄色いカスタードや黄桃を使った甘い菓子パン、イースターバニーをかたどったチョコレートなど目にも鮮やかです。

その中でも子供たちが大好きなのはイースターエッグのチョコレートで、中は空洞になっており小さなおもちゃが入っています。

チョコレートを食べたらおもちゃがもらえる、しかも中身はなにが出るかわからないわくわく感が人気のようです。

エッグハント

卵の殻をカラフルに塗ったイースターエッグを庭や家の中に隠して探す、エッグハントも人気です。

スウェーデンのイースターはちょうど雪が溶けて来た時期。

長い冬が終わり日照時間も延びて雪に足を取られることなく、自由に外を駆け回る子供たちの手には藤や白樺で編んだバスケットが握られています。

イースターのごちそう

イースター休暇の初日となる金曜日にはイースターの御馳走を食べる家庭も多いようです。

といってもそのメニューは卵とラム肉や、サーモンや酢漬けのニシンなどの魚料理、スウェーデン料理定番のキャセロール料理「ヤンソンの誘惑」など、普段とあまり変わらないように見えます。

ただし食事のお供になるのは「Påskmust(ポスクムスト)」と呼ばれるコーラのような見た目の炭酸飲料で、イースターならではのもの。

こちらもこの時期になるとスーパーで山積みにされています。

今日はなんでも手に入るので特別なものには見えないかもしれませんが、これらの料理や飲み物を、黄色を基調にしたテーブルセッティングで楽しむのがスウェーデン流のイースターの楽しみ方なのです。