Sofia Winroth - Moz Sweden - Page 2 of 2

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「フィーカ」とは?


「フィーカ」とは?

最近では、「フィーカ」という言葉や習慣そのものが、大きく注目されるようになってきました。ここでは、フィーカについて知っておくべきポイントや、正しいフィーカを紹介します。これを知っておけば、ご自身でも友達と一緒にフィーカを楽しめます。

「フィーカ」の意味とは?

スウェーデン語で「フィーカ(fika)」とは、「甘いものを食べながら温かい飲み物を飲むこと」を意味します。飲み物はコーヒーや紅茶が一般的で、小さなクッキーやシナモンロール、焼き菓子などを一緒に食べます。フィーカの飲み物や食べ物に特別な決まりはありません。大切なのは、食事よりは軽く、果物よりは食べ応えのある軽食を、好きな飲み物と一緒に楽しむことです。

気軽なフィーカですが、1つだけあるルールは、コーヒーだけならフィーカとは呼べないということ。誰かとコーヒーを飲みたいだけのときは、「コーヒーを飲もう」と言いましょう。ここで「フィーカ」と言ってしまうと、大きな誤解を招きかねません。場合によっては相手の機嫌を損ねてしまうことも…?

Table with two cups of coffee and pink Moz handbag

フィーカのタイミング

伝統的には、フィーカは1日に2回行われます。これは年配の世代に見られる「ルール」で、おじいさんやおばあさんの世代は、午前11時と午後3時にフィーカを行うことが多く、昼食の前に軽く何かを食べ、昼食の後にもそれより少し多めの軽食をとります。1日に2回は少し多いと感じるなら、若い世代に倣って、居心地の良いカフェで友達とフィーカしましょう。このとき、お腹を空かせて行くのがフィーカを楽しむコツです。フィーカの定番は大きなマグカップに注がれたたっぷりのカフェラテと大きなシナモンロールですが、お好きなコーヒーと焼き菓子でも大丈夫です。ゆっくりと座ってくつろぎながら、温かい飲み物と甘い食べ物を一緒に楽しむ――まさに最高の時間の過ごし方です。

Woman in gloves having a coffee in a Moz mug.

自己流のフィーカでおもてなし

もちろん、自宅に友達や家族を招いてフィーカを楽しむこともあります。自家製のおやつと、大きなマグカップになみなみと注がれたおいしい紅茶やコーヒーほど「贅沢」なものはありません。
フィーカに誰かを招くなら、焼き菓子に力を入れて、ゲストに喜ばれる紅茶やコーヒーを用意しましょう。カフェにあるようなエスプレッソマシンでカフェラテを入れなくても、おいしく淹れたコーヒーのポットとミルクを一緒に出せば、スウェーデン人なら誰でも喜んでくれるでしょう。

焼き菓子についても、たくさん用意して豪華なフィーカにしなくても大丈夫。手作りのシナモンロールなら言うことなしですが、ブラウニーやカップケーキでも十分です。いろんなお菓子を用意しなければと頑張りすぎないこと。フィーカを楽しむには、ゆっくりと座って会話を楽しむことが大切なのです。

Cinnamon buns and a Moz coffee pot.
People having coffee, outside, winter People having coffee, outside, winter

フィーカを楽しむには

ここでは、友達を招いてフィーカを行うときにおすすめの方法を紹介します。

  1. 時間は、昼食の後の時間帯、午後2時~3時頃にしましょう。そうすると、焦らずに余裕を持って準備することができます。
  2. 焼き菓子は午前中に準備しましょう。シナモンロールやカップケーキなどでも大丈夫です。午後のフィーカに向けて焼き立てを用意しておきます。
  3. ゲストに出す紅茶の種類は1~2種類を用意しておけば十分です。紅茶にたっぷりのミルクを入れて飲むのが好きな人もいるので、香り高く、ミルクによく合うものが良いでしょう。
  4. 淹れたての上質なコーヒーをポットで出すなら、コーヒー豆を購入し、淹れる直前に豆を挽きましょう。
  5. 人数分よりも多めにコーヒーを用意しましょう。スウェーデン語で「påtår(ポートー)」、すなわち2杯目をおかわりする人も多くいます。

「フィーカ」は、食べたり飲んだりするだけの習慣ではありません。大事なのは、大切な人たちと一緒に時間を過ごすことです。ですから「フィーカ」の日は午後の予定を空けておき、時間を気にすることなく友達や家族とのんびり過ごせるようにしましょう。

New baked cinnamon buns on stove, Moz mittens.

伝統的なクリスマスツリー


伝統的なクリスマスツリー

世界各国で見られるクリスマスツリーはスウェーデンでも例外ではありません。ここではスウェーデンのクリスマスツリーの歴史と、自分らしいツリーを飾るコツをご紹介します。

クリスマスツリーの歴史

屋内に松の木を飾る風習は、1500~1600年代にドイツやスイスから伝わったとされています。当時、ツリーの飾りつけは、裕福な貴族など上流階級に属する人々が楽しむものでした。ツリーに当時は貴重なキャンディを飾ることもあったそうです。
1600年代の後半にはフランスやベルギー、オランダにもクリスマスツリーが広まりましたが、スウェーデンの家庭にこの風習が伝わったのは1800年代に入ってからでした。

スウェーデンで最初にクリスマスツリーが飾られたのは、ストックホルムの島の1つであるゼーデルマルムに暮らしていた裕福なヴレーデ・シュパラー家で、1741年のことでした。しかし、これが一般家庭に広まることはなく、実際に広まったのは1800年代の後半でした。ヴレーデ・シュパラー家は、当時としては時代を大きく先取りした一家だったと言えるでしょう。

1700~1800年代のスウェーデンで見られたツリーの装飾は、現在の定番の飾り付けとよく似ています。ツリーの枝に、明かりを灯したろうそく、りんご、そして(運が良ければ)キャンディが吊るされていました。1800年代の終わり頃には、小さな店でツリーの装飾を買うことが一般的になり、スウェーデン国旗を紐で繋げた飾りや紙のクラッカー、赤いハート型の飾りを買って吊るしていました。

Woman decorates a Christmas tree with Swedish flags
  • Woman by Christmas tree
  • Girl talking to Santa

バイキングとクリスマスツリー

「クリスマス」という言葉は、イエスの別名であるキリストに由来しており、多くの国ではクリスマスを、キリスト教に基づいてイエスの誕生と関連付けています。しかし、スウェーデン語でクリスマスは「jul」と言われ、その起源はバイキングの時代にさかのぼります。

バイキングは、冬至の日に「ユール」という祭りを行っていました。これは、1年で最も暗い時期が終わり、明るく暖かい季節に向かっていくことを祝う祭りです。クリスマスツリー――つまり装飾のない松の木――は、森で見られる唯一の緑の木であったことから、この暗く寒い時期にとって大きなシンボルのような存在でした。他の木々が秋に葉を落とす中で緑を残す松は、絶えることなく続く命の営みや生命力を象徴する木だったのです。

バイキングの人々は松の木を尊び、崇めていたそうで、屋外で松の木に飾りを付けたり、松の木の枝で作った冠を身に着けたりしていたという言い伝えもあります。

Man puts a star in top of the Christmas tree

クリスマスツリーの飾り方

伝統は時とともに変わるもので、現在ではクリスマスツリーの飾り方にルールはありません。1900年代の始めには、赤い色を使った装飾が一般的でしたが、今では各家庭がそれぞれの方法でクリスマスツリーの装飾をしています。

そこでここでは、自分なりにクリスマスツリーを装飾したい方のために、飾り付けのヒントを紹介することにします。

  • クリスマスボールは必須です。スウェーデンでは、ほとんどすべての店で、さまざまな色のクリスマスボールを見つけることができます。伝統的な色は赤、シルバー、ゴールドで、プラスチック製とガラス製のものがあります。
  • モールにはシルバーやゴールドのものがありますが、雪を連想させる白のモールもとても人気です。ツリーに巻きつけても良いですし、上から木の裾に向かって垂らすように飾ることもできます。
  • 電球はツリーを一層華やかにし、部屋の明かりを落としたときにもツリーを輝かせます。最近では、本物のろうそくにそっくりの大きな電気キャンドルや、小さな光の点が連なる電飾が定番です。
  • 懐かしい雰囲気を演出するなら、丈夫な紙やハサミを使って装飾を手作りするのも良いでしょう。「クリスマスツリー装飾 手作り」と検索するだけでさまざまなアイディアが見つかりますし、家族や子どもたちと楽しい時間も過ごせるでしょう。
  • 本物の針葉樹をクリスマスツリーに使う場合、花と同じく植物であることをお忘れなく。茶色く変色したり、枯れたりしないように、たっぷりと水をあげましょう。ツリースタンドはどれも水を入れられるので、ツリーが乾燥しないよう、常に水で満たしておきましょう。

最近のクリスマスツリーには、さまざまな色の組み合わせが見られます。上から下まですべてを赤で統一したツリーはとても力強い印象があり、人気です。
一方で、赤にとらわれず、それでいて「クリスマスらしさ」を感じられる色を使うことも最近のトレンド。その一例が緑とゴールドを基調とした装飾で、麦わら細工のオーナメントや布製の飾りでゴールドを、苔を使った飾りや植物、木のオーナメントで緑を演出することができます。ゴールドと緑なら、森とその色を表現できましし、全体に白とシルバーを使えば、雪や冬の風景を表現できます。白とシルバーは、家の中でも自然の中でも、まさに北欧を象徴する色です。自然を家の中に取り込むような装飾も人気ですが、白を使ったクリスマスの装飾は、ツリーだけでなくテキスタイルやインテリアにも取り入れられている最近のトレンドです。

ただ、前述のように、決まったルールはありません。思いのままに、そして自分の好みに合わせてツリーを飾りましょう。ツリーを飾りながらクリスマスの雰囲気を楽しみ、家族と一緒に素敵な時間を過ごすこと、これが何より大切なのです

焚き火のそばで冬のピクニックを


焚き火のそばで冬のピクニックを

雪が舞い、空気が凍りつくような冬の日でも、スウェーデンの人々は外で過ごすのが大好き。そこへ太陽が顔を出そうものならば外に出ずにはいられません。ぱちぱちと音を立てる焚き火のそばで友人たちと温かい飲み物を手に語らうなら、冬はぴったりの季節です。

冬の定番アクティビティ

スウェーデンの冬は長く、特に北部に住む人々にとっては一年の半分近くが冬となります。長く、寒く、暗い冬を乗り切るためにも、晴れ間がのぞいたときには太陽の光を存分に楽しむことが大切なのです。

焚き火を焚いてのピクニックは、多くのスウェーデン人にとって定番のアクティビティ。火で身体を温めながら新鮮な空気を吸い込み、冬を満喫するのです。また、キャンプ場や、森の開けた場所には自由に使える焚き火スペースがあることも多く、気軽に行うことができるのも嬉しいポイント。誰でも安全に焚き火や外での時間を楽しめるよう、このような設備が用意されているのです。冬にスウェーデンを訪れれば、雪や凍えるような寒さをものともせず、たくさんの人が森の中で過ごしていることが分かるはず。ピクニックには、新鮮な空気を吸い込み、家族や友人と冬を楽しむ不思議な魅力があります。

People enjoying picnic by fire

冬のピクニックには何を持っていく?

冬のピクニックに出かけるときは、こんなことに気を付けましょう。

  1. 寒さに備えて必ず予備のセーターを持ちましょう。
  2. サングラスを持って行きましょう(太陽が顔を出せば一気にまぶしくなります)。
  3. ブランケットやクッションは、あっても困ることがありません。
  4. ウェットティッシュがあれば手や食器などを拭けて便利です。

そして忘れてはいけないのが「フィーカ」です。おやつと飲み物はピクニックの必需品。甘いものとしょっぱいもの、両方があると最高です。
焚き火は必須ではありませんが、あれば心地よい時間が過ごせます。
軽食にはソーセージを直火であぶり、パンに挟んでケチャップをかければ即席ホットドッグのでき上がり。
また、ホットサンドもおすすめです。ポイントはピクニックに出かける前にサンドイッチを用意して包んでおくこと。現地では焼くだけですぐに食べられます。

Family playing in the snow with their dog.

冬のピクニックに欠かせない「フィーカ」

しょっぱい食べ物と同じくらい、フィーカに欠かせない甘いもの。甘い食べ物と温かい飲み物がなければ、冬のピクニックは始まりません。
スウェーデンでのピクニックの際によく持っていかれるもののリストを次にまとめました。ぱちぱちとはじける火の前で楽しむには最高のラインナップですので、ぜひ参考にしてください。

  • 保温ボトルに入れた熱いコーヒー
  • 保温ボトルに入れたホットココア(子どもやコーヒーを飲まない人に最適)
  • 冷たい牛乳を入れた小さなボトル(主にコーヒー用)
  • シナモンロールなどのおやつをたくさん
  • 甘いクラッカー(チョコレート入りのオーツクラッカーなど)
  • ナプキン

子どもと一緒に行くなら、簡単に作れて皆に人気のスウェーデン風クレープもおすすめです。 前日(または当日の朝)にクレープを作り、中にジャムなどを巻いて容器に入れ、持って行きましょう。手で簡単に食べられますし、子どもも大人も大喜び間違いなしです。

Woman having picnic out doors in winter